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サイトの全体像
本サイトは、困った問題のために悩んでいるときに、認知行動療法で使われているスキルを使って気持ちを軽くして問題に対処していただくことを目的として作りました。本サイトの流れ図を見てください(図1)。
図
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本サイトの流れ
このサイトでは、辛くなったときに、つらい気持ちになった現実の出来事をまず書き出します。落ち込んだり不安になったり、腹が立ったりするなど、気持ちが動揺した場面をひとつだけ書き出してください。
次に、そのときに行った対処法を書き出します。困ったときや気持ちが動揺したとき、私たちは何か工夫をしているものです。それをほとんど気づかないまま行っているのですが、その中に今後に役立つ工夫が含まれていることがよくあります。その工夫を意識することで、それを今後に活かすことができるようになります。
そのうえで、自分なりに工夫をしても解決しきれていない問題に目を向け、どのような考えや行動が解決を妨げているかを確認します。そうした考えや行動を変えていくことができれば、先に進んで上手に問題に取り組むことができるようになります。
そのときの取り組み方にはいくつもの方法がありますが、本サイトは、問題にあわせて代表的な
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つのアプローチを使いわけていただけるように作られています。
例えば、「自分は、いつも失敗してばかりだ」「ほかの人にはどうせわかってもらえない」などと考えてあきらめていないでしょうか。このように考えが問題解決の邪魔をしている場合には、考えを整理して切りかえる認知再構成法と呼ばれる方法などが役に立ちます。
何かをする気力がわかずに自分の世界に閉じこもりがちになっていないでしょうか。それでは問題を解決できないばかりか、ますますこころの元気が失われていきます。このように、行動が問題解決を妨げている場合には、やりがいのある行動や楽しめる行動を増やしてこころを元気にする行動活性化と呼ばれる方法などが役に立ちます。
問題がわかっていても良い解決策が思い浮かばない場合には、いくつもの解決策を思いつくままに書き出して適切な解決策を見つけていく良い問題解決スキルなどが役に立ちます。
また、一人で頑張りすぎていると気づいたときには、上手に人の助けを受けながら問題に取り組むために役立つコミュニケーション・スキルを使ってみると良いでしょう。
こうした方法は、私たちが元気なときには自然にできていることです。でも精神的に疲れてくると思うようにできなくなります。しかし、認知行動療法で使われる方法を身につけて柔軟に問題に対処できるようになれば、こころの力が高まって、ストレスを味方にしながら自分らしい生き方ができるようになってきます。